家庭裁判所における遺言書無効確認の訴えとは

相続人間で遺言書の効力に争いがある場合には、この遺言書の効力を否定する相続人が遺言書無効確認の訴えを家庭裁判所に提起することがあります。


 

遺言書が無効となるケースには、大きく分けて3つあります。すなわち、遺言書が真正のものでない場合、遺言書が方式に従っていない場合、そして遺言能力がない状態で遺言がなされた場合です。いずれの場合にしても、結局は法的に有効な遺言書が存在するかどうかという点が問題となりますので、どのケースも遺言無効確認訴訟の中で争われます。事案によっては、一つの遺言書無効確認の訴えで複数の点について争われることもあります。なお、遺言書が偽造されたという疑いのある場合は、遺言書が真正のものであるか否かを巡って遺言書無効確認の訴えが提起されることになります。

この遺言書の真正について、家庭裁判所はどのような判断をなしているでしょうか。裁判所は、遺言書の真正に関しては筆跡鑑定の結果を絶対視しません。家庭裁判所は、遺言書そのものの内容と遺言者を取り巻く状況との整合性や、遺言書作成当時の遺言者の筆記能力など、様々な事実を総合的に考慮して判断を行っています。このような総合的判断を認めた裁判例として、東京高等裁判所平成12年10月26日判決があります。

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